2015年01月08日

借地借家法32条1項の規定に基づく賃料増減請求により増減された賃料額の確認を求める訴訟の確定判決の既判力の範囲

 賃料増減額請求の訴訟を提起し、判決にて一定の増減額された賃料が確定した場合、その賃料は、いつのあるいはいつからいつの賃料を定めたものかについて従前判決が分かれていました。ひとつは、賃料増減額訴訟の訴訟物を賃料増減請求の効果が生じた時点の賃料額の相当性ないし相当賃料額と解して、賃料増減額請求の意思表示が到達した時点のものと捉える時点説、ひとつは、同訴訟の訴訟物を当事者が特に期間を限定しない限り、賃料が増減された日から事実審の口頭弁論終結時までの期間の賃料額であるとして、賃料増減額請求の意思表示が到達した時点から事実審の口頭弁論終結時までのものと捉える期間説でした。
 最高裁が上記説のうち時点説をとることを明示した判決が判例時報2238号(H27.1.1号)14頁に掲載されています(H26.9.25、1小法廷判決)。
 但し、賃料額の相当性ないし相当賃料額については、借地借家法32条1項所定の事由のほか諸般の事情を総合的に考慮すべきとされていますので、増減額の意思表示をした翌日に再度いずれかの当事者が増減額の意思表示をし、最初の増減額の意思表示に関わる賃料の増減額が確定した後、翌日の増減額の意思表示について訴訟手続きによる決着を求めることは既判力上は問題ないものの認められる可能性はほとんどないことは御留意下さい。
posted by funatomi at 09:40| 日記