先日法律相談を受けていましたら「通行権」についてのスペシャリストの弁護士はいませんか等との質問を受けました。「通行権」については判例が集積している分野であり、ある程度の不動産関連の紛争を扱っておればそれなりの回答ができる分野ですが、あまり不動産関連の紛争を扱っていない弁護士にとってはよく調べた上で回答した方が良い分野ではないかと思います。しかし、スペシャリストが必要なほど、経済的にボリュームのある分野でもないのでスペシャリスト(自分でそう名乗るのは勝手にしろ)の弁護士というのはいないのではないかと思います。交通事故専門、離婚専門を名乗る方もおられますが、そのような紛争を中心に多くの案件をこなせばそれなりに精通してくるのでしょうが、他の弁護士と比較してその分野で特に解決能力が高いというわけでもなさそうです。
2015年02月24日
弁護士の懲戒処分
昨年(平成26年)1年間に不祥事を理由に弁護士が懲戒処分を受けた件数が、過去最多の101件となり、中でも依頼者から預かった金を流用するケースが目立つということです。
弁護士数が急増した一方で、仕事が増えない現状が背景にあるとのことですが、確かに実感は一致します。過去に成功体験のある弁護士ほど一時的に流用してもすぐに流用したお金は、日々の仕事で用意できると思ってしまう結果かなとも思ってしまいますが。預り金の管理にせめて法律事務所内でも複数の人間がその管理に責任をもつようにしなければダメだと思います。これは弁護士倫理の高低の問題ではありません。
弁護士数が急増した一方で、仕事が増えない現状が背景にあるとのことですが、確かに実感は一致します。過去に成功体験のある弁護士ほど一時的に流用してもすぐに流用したお金は、日々の仕事で用意できると思ってしまう結果かなとも思ってしまいますが。預り金の管理にせめて法律事務所内でも複数の人間がその管理に責任をもつようにしなければダメだと思います。これは弁護士倫理の高低の問題ではありません。
posted by funatomi at 09:52| 日記
2015年02月23日
弁護士照会
弁護士法23条の2は「弁護士は受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。申出があった場合において、当該弁護士会は、その申出が適当でないと認めるときは、これを拒絶することができる。2.弁護士会は、前項の規定による申出に基づき、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。」と定めています。強制的な調査権限をもたない弁護士として事実を明らかにする為の少ない武器の一つです。
判例時報平成27年2月21日号(No.2243)35頁に税理士法人が弁護士23条の2の照会に応じて、納税義務者の確定申告書等の写しを提供したことが不法行為を構成するとされた事例が掲載されています(大阪高裁H26.8.28判決)。
本照会にかかわる紛争は兄弟間の紛争であり、当該税理士法人も複雑な関係があったのでしょうが。税理士法38条に基づく守秘義務は税理士業の根幹をなすことを考えるとやや軽率であったとのそしりは免れないでしょう。
判例時報平成27年2月21日号(No.2243)35頁に税理士法人が弁護士23条の2の照会に応じて、納税義務者の確定申告書等の写しを提供したことが不法行為を構成するとされた事例が掲載されています(大阪高裁H26.8.28判決)。
本照会にかかわる紛争は兄弟間の紛争であり、当該税理士法人も複雑な関係があったのでしょうが。税理士法38条に基づく守秘義務は税理士業の根幹をなすことを考えるとやや軽率であったとのそしりは免れないでしょう。
posted by funatomi at 14:08| 日記