2015年08月10日

抑止力(二)

 弁護士としての日常業務からはずれるのであまり声高に言いたくもないことですが、いくら考えても我慢ができないので再度言います。
 安保法案に賛成の方は、安保法案は戦争法案ではなく戦争をしないための法案である。尖閣諸島問題、サンゴ密漁問題、領空侵犯問題、ガス田開発問題等中国の脅威が現実化している中で抑止力を高める為には安保法案が必要とされるようです。
 しかし、これらの問題は外交問題であり個別的自衛権で対応できる問題です。
 集団的自衛権の問題は、これら個別的自衛権の問題を超えて、世界の均衡の一極として自国の防衛、自国の権益を超えて、その為の一翼を担うということです。
 勿論、現行憲法はそれを認めていません。このような国の在り方を変える、国として基本的理念の変更を何の国民的議論もせずに、立憲主義を侵してまで強行してよいのかということが本法案の問題の核心的部分であると思います。「抑止力」で戦争は完全に防げません。「抑止力」で戦争が防げるなら、日本がアメリカ合衆国に宣戦布告をする事態等あり得なかったでしょうし、「抑止力」の重視は互いに仮想敵国とされる国間で際限のない軍事費の膨張につながり武器産業を喜ばせるだけのように思います。
 そして、この法案を進めている方が、「法的安定性は関係ない」と言ったり「戦争に行きたくないと言うのは利己主義だ」と言ったり、「マスコミに経団連から圧力をかけてもらえないか」「(自らの気に入らない論調のマスコミを)つぶせ」等と言っている状態をみると、ますます本法案の実質が透けて見えるようで、許し難く思ってしまいます。

posted by funatomi at 18:22| 日記

2015年08月05日

暑い

 本日午前中堺市内で仕事があり、事務所の最寄り駅である地下鉄御堂筋線の淀屋橋駅に着いたのが午前11時30分頃でした。淀屋橋駅の近くに建つビルの屋上部分に温度計が設置されていますが、この時間帯で37℃。体温より高いやないか。
 先日も午後から目と鼻の先の大阪地方裁判所へ行こうと事務所を出たところ、熱気で息ができず無事裁判所まで辿り着けるだろうかと思ってしまいました。
 いつから夏がこんなに暑くなったんだー。
posted by funatomi at 13:34| 日記

2015年08月04日

抑止力

 安全保障関連法の立法事実(法律を制定する場合の基礎を形成し、かつその合理性を支える一般的な事実)として政府は「安全保障環境の変化」を主張されています。
安全保障環境の変化(特に中国の軍事台頭及び実力行使を伴う国際関係での権利主張)があるから、アメリカ合衆国等友好国との結びつきを集団的自衛権で強めることにより抑止力を高め、積極的に平和を構築していく必要があるということだそうです。
2014年度の中国の軍事費は総額2160億ドルであるのに対し、アメリカ合衆国は6100億ドル、日本は458億ドルで、日米両国を合算した軍事費は中国の3倍にものぼっています。
南シナ海、東シナ海の岩礁施設やガス田開発についても、即時に日本国の存立が危うくなるような何らかの具体的な危険性が生じているとは思えません。そのような状況の下で国是である立憲主義を侵してまで本法案を早急に成立させる必要はないと思います。
posted by funatomi at 10:08| 日記