2011年04月20日

遺留分額と相続債務

 民法1029条1項では、「遺留分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除してこれを算定する」とされています。
 一方、相続債務の債権者に対する関係では、相続債務は当然に法定相続分どおり各相続人が承継することとなりますから、例えば、相続財産が1000万円、相続債務が500万円、相続人が子2人で、その法定相続分は各2分の1、遺留分額は各4分の1の場合、遺留分額は、(1000万円−500万円)×1/4=125万円であるのに、遺留分権者は、相続債務を債権者との関係で250万円負担していることとなってしまいます。
 この点は、一般的には、全部の相続財産を特定の1人に相続させる遺言は、相続債務をその特定人にすべて相続させる旨の意思が表示されているものと考えられるので、相続人間ではすべての相続財産を相続した者が承継するものとして処理され、遺留分権者は、遺留分額125万円を遺留分侵害者に請求し得、また、相続債権者との関係で債務を負担した場合には、その額を遺留分侵害者に請求しうると考えられています(最高裁H21.3.24判決なお最高裁H8.11.26判決)。
posted by funatomi at 10:23| Comment(0) | 日記
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