2015年11月11日

養育費・婚姻費用の増減額

 一旦、調停や審判で決まった養育費・婚姻費用の額を増減額請求できる場合とはどのような場合か。
 判例時報平成27年11月11日号16頁では、以下のとおりの東京高裁決定(H26.11.26付)が紹介されています。
 「仮に何らかの事情の変更があったとしても、事情の変更がある度に逐一、婚姻費用分担金の額を変更しなければならないとすることは、確定した一定額の婚姻費用分担金の支払を前提とする当事者双方の安定した生活を一方的に不安定なものとする結果となり、妥当なものではないから、安易に事情の変更による婚姻費用分担金の減額を認めることはできない。したがって、審判確定後の事情の変更による婚姻費用分担金の減額は、その審判が確定した当時には予測できなかった後発的な事情の発生により、その審判の内容をそのまま維持させることが一方の当事者に著しく酷であって、客観的に当事者間の衡平を害する結果になると認められるような例外的な場合に限って許される」
 少しぐらい給料が上がった、下がったということでは増減額請求はできないということです。
posted by funatomi at 15:44| 日記

2015年11月10日

行楽シーズン

 秋の行楽シーズンです。10月30日〜11月1日は韓国ソウルに行ってきました。11月7日、8日には松江城と出雲大社に行ってきました。どこでも外国人観光客(特に中国の方)の多さに驚かされます。
 韓国ソウルの明洞近くの地下街で従前日本人観光客を主な対象とされていた店舗は少しさびしい状況でした。日本という国の相対的な国力が落ちていっていることを実感します。
 新たな世界秩序の中で今後は難しい舵取りが要求されるのではないかと思います。
posted by funatomi at 11:27| 日記

2015年10月28日

法テラスへの弁護士からの苦情

 大阪弁護士会10月号会報に「法テラス 日本司法支援センター 大阪地方事務所だよりNo.103 弁護士からの苦情対応について」との記事が掲載されています。
 弁護士からの苦情で問題のあるものとして、@代理援助の審査決定(援助不開始)を不服として、事務局に対し、電話で終始恫喝口調で、審査委員と担当職員の氏名、決定理由や経緯などを執拗に問いただす等したケース、A制度自体に対する不満を職員に執拗に問いただす等のケース、B相談窓口における職員に対する強烈な暴言を発したケース等があげられています。
 確かにいずれも問題のあるケースのように思いますが、一方で法テラスの民事法律扶助制度も弁護士側からみれば欠陥の多い制度で、イライラしたあまり上記のような行動に及んだ弁護士の心情には理解できるところもあります。
 ただ、法テラスの職員にあたるのは筋違いで、弁護士なら不服申し立てをするなり、断るなりの対応が求められているのでしょうね。
 私も一度だけ関連事件を無料でやれと言われ、無料ならしない、他の弁護士に依頼して欲しいと言ったことはありますが。
posted by funatomi at 17:52| 日記

2015年10月27日

事務所旅行

 例年、秋の今頃に事務所内や同業の方々との親睦の為、事務所旅行に行っています。弁護士不況、司法修習生の就職難が深刻化している今日、今年はどうしようかとも思いましたが、例年の行事でN氏ほか楽しみにしている方もおられるとのことで行くことになりました。
 行き先は韓国ソウル二泊三日です。U氏が直前で仕事の為にキャンセルとなり残念ですが、カンパを頂きました。参加者全員で使わせて頂きます。
posted by funatomi at 17:18| 日記

2015年10月22日

キャリーバッグを曳く際の注意義務

 最近、駅構内でもキャリーバッグを曳いている人が多くなりました。キャリーバッグは利用する者にとっては重い荷物も軽く運べ便利なものですが、他の歩行者にとっては歩行の邪魔になったり、足に引っかかる等危なく感じさせるものでもあります。
判例時報H27.10.21号にこのキャリーバッグを対面歩行中の歩行者の足に衝突させ転倒させた事例で損害賠償(103万7871円)を認めた東京地裁H27.4.29の判決が掲載されています。
「歩行者が駅構内のような人通りの多い場所でキャリーバッグを使用する場合には曳いているキャリーバッグが他の歩行者の歩行を妨げたり、それにつまずいて転倒させることがないよう注意するべき義務がある」と認定されていますのでキャリーバッグを利用される方々は注意が必要です。
posted by funatomi at 16:47| 日記

2015年10月21日

難しい

 最近難しい仕事が増えています。依頼者の方や相手方の方等も見られているでしょうからあまり書くことはできませんが、法律構成でも証拠収集でも一筋縄ではいかない仕事が増えているようです。
 年齢とともにそのような仕事が持ち込まれるようになったのかと思う反面、債務整理(任意、法的)、過払い金請求等の簡単な仕事と言っては語弊がありますが、多かった時がなつかしい。
posted by funatomi at 09:45| 日記

2015年10月20日

無題

 長らくホームページのブログへの書き込みをしておりませんでした。安保法案は成立するは、沖縄の米軍普天間基地の関連で辺野古沿岸の埋め立て承認を取り消した沖縄県知事の処分に防衛省が行政不服審査法に基づく審査請求を申し立てて、取消処分に対する執行停止を求めるは、ほとんど法治国家の体を為していない昨今の状況について深い憂慮を感じざるを得ません。安保法案の集団的自衛権はそれが必要か否かの議論はともかく、明白に憲法9条に反する違憲と評価されるべきものですし、行政不服審査法は1条で定めるとおり「この法律は行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使にあたる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする」ものであり、そもそも防衛省等の国家機関が利用することを予定していない制度です。
 防衛省が申立て、国土交通大臣が判断する等公正さのかけらもない手続きを法治国家として許していいものではないでしょう。中国をはじめアジア諸国に経済で押され、それとともに法治国家、立憲主義、人権保障等の感覚が政権でも劣化していっているのでしょうか。危い状況です。
posted by funatomi at 17:31| 日記

2015年08月10日

抑止力(二)

 弁護士としての日常業務からはずれるのであまり声高に言いたくもないことですが、いくら考えても我慢ができないので再度言います。
 安保法案に賛成の方は、安保法案は戦争法案ではなく戦争をしないための法案である。尖閣諸島問題、サンゴ密漁問題、領空侵犯問題、ガス田開発問題等中国の脅威が現実化している中で抑止力を高める為には安保法案が必要とされるようです。
 しかし、これらの問題は外交問題であり個別的自衛権で対応できる問題です。
 集団的自衛権の問題は、これら個別的自衛権の問題を超えて、世界の均衡の一極として自国の防衛、自国の権益を超えて、その為の一翼を担うということです。
 勿論、現行憲法はそれを認めていません。このような国の在り方を変える、国として基本的理念の変更を何の国民的議論もせずに、立憲主義を侵してまで強行してよいのかということが本法案の問題の核心的部分であると思います。「抑止力」で戦争は完全に防げません。「抑止力」で戦争が防げるなら、日本がアメリカ合衆国に宣戦布告をする事態等あり得なかったでしょうし、「抑止力」の重視は互いに仮想敵国とされる国間で際限のない軍事費の膨張につながり武器産業を喜ばせるだけのように思います。
 そして、この法案を進めている方が、「法的安定性は関係ない」と言ったり「戦争に行きたくないと言うのは利己主義だ」と言ったり、「マスコミに経団連から圧力をかけてもらえないか」「(自らの気に入らない論調のマスコミを)つぶせ」等と言っている状態をみると、ますます本法案の実質が透けて見えるようで、許し難く思ってしまいます。

posted by funatomi at 18:22| 日記

2015年08月05日

暑い

 本日午前中堺市内で仕事があり、事務所の最寄り駅である地下鉄御堂筋線の淀屋橋駅に着いたのが午前11時30分頃でした。淀屋橋駅の近くに建つビルの屋上部分に温度計が設置されていますが、この時間帯で37℃。体温より高いやないか。
 先日も午後から目と鼻の先の大阪地方裁判所へ行こうと事務所を出たところ、熱気で息ができず無事裁判所まで辿り着けるだろうかと思ってしまいました。
 いつから夏がこんなに暑くなったんだー。
posted by funatomi at 13:34| 日記

2015年08月04日

抑止力

 安全保障関連法の立法事実(法律を制定する場合の基礎を形成し、かつその合理性を支える一般的な事実)として政府は「安全保障環境の変化」を主張されています。
安全保障環境の変化(特に中国の軍事台頭及び実力行使を伴う国際関係での権利主張)があるから、アメリカ合衆国等友好国との結びつきを集団的自衛権で強めることにより抑止力を高め、積極的に平和を構築していく必要があるということだそうです。
2014年度の中国の軍事費は総額2160億ドルであるのに対し、アメリカ合衆国は6100億ドル、日本は458億ドルで、日米両国を合算した軍事費は中国の3倍にものぼっています。
南シナ海、東シナ海の岩礁施設やガス田開発についても、即時に日本国の存立が危うくなるような何らかの具体的な危険性が生じているとは思えません。そのような状況の下で国是である立憲主義を侵してまで本法案を早急に成立させる必要はないと思います。
posted by funatomi at 10:08| 日記